2022年03月06日12:56世界に一つだけの花
早いもので専門医研修ももう1年が経ちます。医師になってからはもう3年経過し、来月から4年目となります。3年間で何が成長できたかなぁ。
まず、患者にあんまりびびらなくなりました。研修医1年目は次はどんな患者さんが来るんだろうとドキドキしていました。当時は知識はあったけれども対応能力がありませんでしたから、何をどうしたらいいのか分かりませんでした。尿路結石とか脳梗塞とかそういうのはしょっちゅう見ましたし、救急では事故とかアナフィラキシーとか飛び降りとか様々ありましたし、精神科に来てからはリストカットとかODとかも見ましたけど、また来たか、くらいな感覚になりました。ただ今にも死にそうというのは別ですよ。その場にいる私がなんとかしないと死んでしまいますから自分の中でアドレナリンが出るのが分かります。滅多に遭遇しませんが、そういう場面こそ医師としての真価を問われますね。
外来診察もスムーズにできるようになってきました(気がします)。研修医の時は患者さんにしどろもどろに対応して患者さんをだいぶ不安にさせてしまったことも多々あります。今は、語弊がありますがちょっとはったりをかましてでも患者の安心感を優先させるすべを身につけた気がします。ま、外来は基本的に患者さんが自分の病気を治したいという切実な思いで来られているので誠意をもって対応していれば何回もフォローしているうちに自然に信頼関係もできてきますしね。
逆に国試で詰め込んだ他科の知識は抜け落ちてしまっています(T-T) 3年目になってからはサーフロー留置なんか基本的な手技もやることがほとんどなくなってしまったので、病棟の看護師さんにお願いして、サーフロー留置や採血があれば率先してやらせてもらっています。難易度の高い患者さんが多いためその意欲の割にはよく失敗していますが汗
それから肝心の専門医としての能力ですが、これは当院では幸か不幸か専攻医に対する負荷が小さいため他院の専攻医と比べると成長が小さいことは間違いないです。それをどう捉えるか、なんですが、もし自分が若ければ同期と比較して自分の成長が遅いことを恥じていたし焦っていたと思います。でも今の私は別に他人と比べなくてもいいのかな、とあまり焦燥感もありません。勤務がゆったりな分プライベートな時間を楽しむ余裕もあり、それも悪くありません。少なくなってきた人生の残り時間、配分が大事です。おっさんになって再受験して医者になったのでそもそも元々の同期からは一回り以上遅れているわけですよ。その間に記憶力も落ちてきて、自分ではあまり分からないけどテキパキも動けなくなってきているようなので、成長のペースが若い頃とは違うわけです。そんな状態で1年くらい成長が遅れても別に誤差の範囲ですよ笑 私個人的にはおっさん研修医は無理しないで初期研修も3年くらいかけてじっくり回り、専門医研修も別に3年にこだわらずのんびり自分のペースで成長していけば良いのではないかと思うようになりました。もう叶わないことですが実はもう一度初期研修のように色々な科を回りたいなと思っているんです。今回れば当時より深い学びがあると確信します。心臓血管外科とか、将来携わることが絶対にないような科も回りたいですね。自分の何かに役に立つから、とかそういった打算抜きで純粋に回って勉強したいです。あまり希望者はいないと思いますが、初期研修3年または4年コースの新設はいかがでしょうか。早く成長した方が良いのかもしれませんけどねぇ。先週、病棟でカラオケがあったとき患者さんたちにせがまれてSMAPの「世界に一つだけの花」を歌ったのですが、その歌詞通りです。ナンバーワンにならなくていい、オンリーワンになればいい、私もそう思います。
ちなみに私はここ数年カラオケには行った記憶がなくて歌も下手くそなんですが、一人の患者さんが私と一緒に歌えて本当に嬉しかったとの涙を流して喜んでくれました。医師という仮面をかぶっていると、当然ですが患者さんは私をお医者さんと認識してくれます。私はしがないおっさんなのですが、お医者さんと一緒に歌を歌えたという何か特別な体験をしたかのように錯覚するようです笑 精神科あるあるかもしれませんが、病棟に行くと患者さんが数名わらわらと寄ってきて私に握手を求めてくるのですが、ちょっとしたヒーロー気分になれます笑 ディズニーランドにいるミッキーについても同じ感じじゃないですか。世の女子高生たちはディズニーランドという特別な場で錯覚を起こし、ミッキーを見つければ抱きついて喜んでいますが、よく考えてみてください。中身はただのおっさんかもしれないですよ笑
ちなみに私はここ数年カラオケには行った記憶がなくて歌も下手くそなんですが、一人の患者さんが私と一緒に歌えて本当に嬉しかったとの涙を流して喜んでくれました。医師という仮面をかぶっていると、当然ですが患者さんは私をお医者さんと認識してくれます。私はしがないおっさんなのですが、お医者さんと一緒に歌を歌えたという何か特別な体験をしたかのように錯覚するようです笑 精神科あるあるかもしれませんが、病棟に行くと患者さんが数名わらわらと寄ってきて私に握手を求めてくるのですが、ちょっとしたヒーロー気分になれます笑 ディズニーランドにいるミッキーについても同じ感じじゃないですか。世の女子高生たちはディズニーランドという特別な場で錯覚を起こし、ミッキーを見つければ抱きついて喜んでいますが、よく考えてみてください。中身はただのおっさんかもしれないですよ笑