2016年04月13日21:28直撃!コロシアム!!ズバッと!TV
 「直撃!コロシアム!!ズバッと!TV」という番組が一昨日放映されました。医者50人に対してMC辛坊治郎さんとサブMC山里亮太さんが、色んな質問をぶつけて本音を語ってもらうという企画でした。興味があったので最後まで視聴しました。
 お金のこととか、普段なかなか聞けないことをずばずばと聞いていくスタイルは斬新でしたが、その質問に潔く答える医師たちの姿が、本音で潔く答えているにもかかわらず私には好印象にはうつりませんでした。病院によっては入会金を100万円支払ってゴールドカードのようなカードを作ると順番待ちを早めにしてあげるといった話とか、袖の下の嬉しい受け渡し方とかその金額がいくらくらいかといった話とかが、具体的に挙げられていました。確かに医師も人間で、聖人君子ではないことはみんな分かっています。中にはそういう医師もおられると思いますが、医師自身も生活もありますし家庭も守っていかなくてはいけませんので、お金にまったくとらわれないで医師をやっていくことはできないでしょう。
 しかしそれがあまりにも前面に出されすぎて、しかもそのスタジオに集まった医師たちが日本を代表するような名医ばかりということだと、患者さん側の立場から見ると、極端に言えば日本の医療の現実はお金によって人の命の値段がつけられてると言っても過言ではないと思えてしまうような気がしてなりません。ただ例えば天皇が心臓の手術をされたときに、その分野では日本の最も優秀な医師たちが集められて手術をされたことは国民の一人として嬉しかったですし、そのこと自体を批判する人は少ないと思います。かといってすべての国民にそういった日本一の人材と設備をもって医療を提供することは物理的にも不可能です。その格差を埋めるための根拠がその人の社会的地位や支払えるお金ということになるのでしょうか。
 うーん、難しい問題ですね。私も再受験でこの世界に飛び込んでいくので、現役でストレートで医師になっていく人たちと比べたら手術の経験数や手技の熟練度では到底かないません。日本一どころか日本の平均的な医師以上の力をつけられたらそれで御の字と言えるかもしれません。しかしもし私が現役でストレートで医師になっていたら人の痛みが全く分からないまま医師になってしまって、いくら腕前が良くても「お金お金」とお金ばかりに目がくらむ医師になっていたかもしれません。いずれにしても、将来、私の手では救えなかった患者さんが、お金を多く払ってでも名医のところに行かれて救われたとしたら、悔しいといいますか、やるせなくなります。私はある一つの臓器の中のさらにある一つの疾患に対してだけを専門に診るような、つまり極端に狭く深い医師を目指すべきなのでしょうか。それとも今の時代求められている総合診療医のような、特別な専門はなくとも広く浅く診察ができる医師を目指すべきなのでしょうか(誤解のないように言っておきますが総合診療医には専門性がまったくないというわけではないと思います…)。

  


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この記事へのコメント

1. Posted by かかし   2016年04月14日 23:54
こんばんわ。
差し支えなければ何歳で医学部受かったか教えていただけないですか?
2. Posted by もも   2016年04月15日 16:25
かかしさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
何歳で医学部に受かったかはここに書けないのですが、理系院卒+社会人経験アリということであとは想像にお任せします。
3. Posted by かかし   2016年04月15日 19:11
返信ありがとうございます。
再受験って何歳くらいまで許容されるんでしょうか?
中には学士入学で50歳代の人もいるようなのですが、あくまでもそれは例外だと思います。
在学大学の場合、再受験生での年齢構成とか。
再受験生の入学後の進路とかの制約とかあれば、教えていただけないでしょうか?、
4. Posted by もも   2016年04月15日 23:26
かかしさん
それは私にとっても興味深い疑問です。私の意見を今日の記事にしてみましたのでぜひ読んでみてください。なお、記事では触れませんでしたが私の大学の場合、再受験生の年齢構成は20代が一番多く、30代、40代と減っていきます。まぁ当然といえば当然ですね(笑)

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