2016年04月06日16:52新年度の授業
新年度の授業が始まりました。高校までみたいに始業式やクラスの係決めなどのイベントがあるわけでもないのでワンクッションなくいきなりトップギアで授業が始まります。春休みで羽をのばしていたとはいえ、そんなこととは関係なく、授業があまりに退屈です。レジュメを配って学生の方ではなくスクリーンの方をずっと向いたままスクリーンに写し出された文章をレーザーポインターで追いながらただ読み上げていくだけの授業。そんな授業をする先生が少なくありません。大学の先生は教員免許を持ってる訳でもないし、という人もいますが、何といいますか授業が下手くそでもいいから何らかの熱意が伝わってくるものが欲しいのですがそれが感じられないんですよね。学会なんかでも大人数に対してお話する機会があるはずですがこんな感じでお話になってるのかなぁ。マイクの電池が切れたら電池を入れ換えもせずにお話しになるものですから、講義室の半分より後ろに座っていたら先生の声すらよく聞き取れません。従ってふと周りを見回すと机に顔を伏せて寝てる学生も少なくないですね。これで学生を責めるとすれば学生がかわいそうです。
しかし、決してすべてがそういう授業というわけではありません。いわゆる能動的学習と言われる授業があって、先生も交えて学生同士でディスカッションしながらあるテーマについて調べ学習をしていこうという科目があるのですが、それはなかなかの面白さを醸し出しています。
医学部に入ってくるくらいの高い学力を持った学生だからなのかは分かりませんが、議論のレベルも高いし、議論を深めながらもテンポもいい感じですいすい進んでいきます。私は議論をするのが元々好きなのですが、なるほどねーと思わせてくれるような、大袈裟に言えば自分の価値観をぶっ壊してくれるような意見を出してくれる学生もいて、時間があっという間に過ぎていきます。やはり特に若い学生は潜在的なポテンシャルをもってるなと思います。また先生もそういうのを放置して見守っているだけということはなく、その議論に一緒に入って下さって、さすが幾多の修羅場をくぐり抜けてこられた教授だと思わせるような巧みな言葉で議論に良い刺激のスパイスをかけて下さいます。
まぁこの授業は少人数制なのですべての科目でこの形式をとるのは学校側の負担が大きくなりすぎるでしょうし、講義形式の授業が必ずしもよくないというつもりもありません。講義形式の授業でも、学生の好奇心を煽るような、魅力的な授業作りはできると思います。
仲の良い先生にちらっとそういうことを言いましたら、大学の先生方というのは朝から晩まで大学病院の医師として診療をしていて、それが終わったら夜に自分の研究をして、毎日疲弊しているとのことで、なんとか時間を空けて授業にやっとこさ来てるような感じだということでした。当初、やる気の感じられない授業に対して悪印象を抱いていましたが、確かにそんな生活をしていたら授業の準備の時間はなかなか取れないだろうなぁと同情してしまいました。今目の前で授業をしている先生方の後ろ姿は、今の大学病院の業務の忙しさ、医師の大変さ、医師不足、など色んなものを写し出している鏡のように思えてなりません。

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