2016年03月22日11:07進級発表
 私の大学の進級発表はまだありません。そろそろ発表の時期だと思いますが春休みももう残り少なくなったこの時期まで進級できるかどうか分からないというのは、進級に不安のある学生にとって不安感の続く春休みとなります。その不安感を抱く学生の数は決して少なくありません。大学の定期試験の本試験も、そしてその再試験も終わってだいぶ時間がたつのですが、進級判定会議のようなものはなぜこんなに遅い時期になるのかよく分かりません。インターネットで検索してみると進級発表があった大学もあるようなので私の大学が遅いだけかもしれません。
 なぜ、進級に不安のある学生が多数存在するのか、それは再試験の結果が発表されないからです。基本的には本試験で合格した学生の学籍番号は大学の掲示板に貼られるので、本試験の合否は分かるのですが、再試験の結果は進級発表のときに合格していたかどうかがやっと分かります。大学は2学期制なので1年間が前期と後期に分けられているですが、 その再試験というのは、前期の再試験も含みます。つまり8月か9月ごろに受験した再試験の結果すら3月末の進級発表まで分からないということになります。そもそも1つの科目だけで数十人も不合格を出す科目はざらにあって、合格者の方が少ないこともあります。また試験の科目数もたくさんあるので、すべての科目を本試験で合格する学生(私たちはそれを「全通」と呼んでいます)は限られた一部の優秀な学生のみです。
 今、「優秀な」と書きましたが、よく考えてみれば医学部に入学できるような学力をもった学生は全員、一般的には優秀と言ってよいと思いますので、その一般的な優秀な学生が必死で勉強しても合格するのが難しいくらいの試験内容ということになります。難しいというのは、1科目当たりの情報量の膨大さ、科目数の多さ、重箱の隅をつつくような問題やひっかけ問題の存在、試験日程の過密度、採点の厳しさ、どんな問題かどんな形式で出題されるのか分からない(最近、過去問があてにならなくなってきました)、授業のレジュメで紹介されていることが教科書やネットでも見つからない、…などが原因として挙げられます。中でも特に難しいのがマルチプルチョイスと呼ばれる問題で、例えば「以下の文章の中から正しい文章を選びなさい。」とあって、5つ文章が並べてあってそこから選ぶのですが、5つのうちいくつ正しいのかすら分からないわけです。時には5つすべて正しかったり、すべて間違いだったりすることがあります。5者択一の選択問題だったら、たとえ正解が分からなくても消去法で明らかに間違いの選択肢を消していって、なんとなく正解だろうなと思うものを選ぶこともできるのですが、このマルチプルチョイスの形式だと、まったく適当に答えた場合、○と×の1/2の反復試行の確率ですから、2の5乗分の1、つまり1/32=0.03125≒3%の確率でしか当たりません。仮にマルチプルチョイスが100問あって1問1点とすると、3点しか取れないことになります。しかも1つ1つの文章はなかなか難解なことが書かれてありますので、それで60点が合格基準ですから本試験で受かる人が少ないのは当然です。私はマルチプルチョイスの試験で、本試験で受かったことは一度もありませんが、受かる人が化け物に思えてしまいます。
 なお、本試験の正答は公表されず、また自分の答案も返却されることはありませんので自分がどこを間違えていたのかフィードバックができず、テストで出された問題は何が正解だったのかとても気になるところですが頭の中でもやもやとなったまま、次のテストに気持ちを切り替えていかなければなりません。テスト期間が終了する頃には自分がどう答えたのかももう忘れてしまって、それに疲労感も加わってもうどうでもいいやとなってしまいます。本当に学生の学力向上を思うなら正答くらいは公表してくれてもいいんじゃないかと思うのですが、大学には大学の事情があってそれはできないようです。
 6年生だけは11月頃に卒業判定が行われるので別ですが、それ以外の学年の1~5年生の学生の合計約600人のうち、数十人が進級できないと思われます。私も他人事ではないのでなるべく進級判定のことは考えないで春休みを精一杯満喫しようという気持ちで1日1日を過ごしています。
cc-library010008320



 

人気ブログランキングへ

コメントする

名前
 
  絵文字