2020年01月

2020年01月23日20:59加齢
 明けましておめでとうございます。

 もう2020年ですか。昔々の自分の予測では今頃は仕事も軌道にのって、自分の一軒家で愛する奥さんと子どもとワンちゃんに囲まれた生活をしてたはずでしたが、現実は独身・アパート暮らしのためペット不可・(医師としては)社会人1年目で周りに迷惑をかけまくるという生活。人生って分からないものですね(;。;)

 そして最近気づいたことがあります。
 それは、自分がかなり物覚えが悪いという事実です。
 もしくは加齢のせいで物覚えが悪くなったということかもしれません。ある指導医が、「自分も実は再受験で医学部に入って医者になったんだが、医者になったとき、物覚えが明らかに悪いことに気づいていた。」と言ってました。ただしこの指導医の再受験は現役生+4才時。
 しかし私はそうは言っても若者より回数を重ねれば大丈夫だろう、とタカをくくっていたのです。そのため自分としては密かに努力をしていたつもりでした。特に瞬時の判断が求められる救急外来の場が私の課題でした。私の病院は日当直はノルマの回数をこなした後にさらに自主的に増やす分には特に問題はなかったので、実は自分で回数を増やしていたのです。しかしもうすぐ研修生活も折り返し地点を迎えるというのに残念ながら成長不十分と言わざるを得ません泣

 救急外来にすぐ怒る指導医がいるのですが、私に対しては最近はもはやあきれ顔になってしまっています(>_<) 「いやぁもうおっさんなんでねー(笑)、記憶力も低下してるんですわー、あはは(笑)」といった自虐ネタも1分1秒を争う救急外来の場面では通用しません。その指導医に「ぼけっとしてんな!」と怒られることもよくあるのですが、自分としてはぼけっとしてるつもりはさらさらないのです。でももしかしたら考え込む時間が少し長いかもしれません。いや第三者から見るとそれがはっきりと長いのでしょう。加齢の影響は自分が思っている以上に深刻なのではないかと真剣に思うようになりました。

 m3の記事で「40代で医師になったものの、3か月で「やめたい」」( https://www.m3.com/lifestyle/720622 )を見つけました。読んでいて、この研修医の気持ちをしみじみと理解しました。
 そうなんですよね…。私も耳で聞いても覚えられないのでメモ帳を駆使して記憶の定着をはかっていますがザルで水をすくうがごとしです。

 「医学部再受験」。確かに医学部に入るのも、医師国家試験に合格することも、もちろん周囲からのサポートはありましたが泥臭い自分の努力でなんとか乗り越えられました。しかし実際の現場に立つと、加齢というどんくささは患者さんという相手に迷惑をかけてしまうのです。今までは自己責任という言葉で片付けられていたものがそうは言ってられなくなるわけですね。困りました。

 私も寿命が来るまでまだあと数十年は生きていかないといけません。生きていくためにはお金を稼いで食べていかなければなりません。この記事の冒頭、奥さんと子どもがいる生活が幸せと言わんばかりでしたが、もしかしたら守るべき家族がいない今の方が幸せなのかもしれません。痛みもなく死ねる方法があれば別にもう死んでもいいかなとも思いますが、まぁ自殺するというのもちょっと違うかなと。なるべく患者さんに迷惑をかけず、せっかく取得した医師免許を活用してひっそりと生きていきたいとは思っているのですが…。