2016年04月

2016年04月27日22:16医学部受験⑦
 もうすぐゴールデンウィークですね(^O^)今年は祝日の並びも良くて、月曜日か金曜日をさぼれば数珠のように祝日がつながって最大10日休みです(^_^)学校をさぼるか、真面目に授業を受けるか、どうしようかと迷う今日この頃です。
 しかしこんな贅沢な悩みを持てるのも医学部受験をなんとかくぐり抜けられたからだとつくづく思います。受験生だった頃は祝日だからと言ってその日は受験勉強を辞めて旅行に行くなんて考えもしませんでした。5年前のGWの日記を読み返してみても、「図書館で勉強。」と書いてあります。さらに受験に失敗した時のために「就職活動用の職務経歴書を仕上げた。」などと書いてあって、当時の涙ぐましい苦労がまざまざとよみがえりました(過去の自分よ、よく頑張ったなぁ(ToT)) 私は社会人として仕事をしていましたが、その仕事に対する熱意がだいぶ薄れてきていて、その仕事で接する相手や同僚に対して申し訳ないと思っていたので、医学部受験がうまくいかなくても転職を考えていたのでした。公務員系だったので変なことをしなければ終身雇用でしたし、給料も1年に1回は必ず昇給しましたし、自分の好きな仕事だったんですけどね、その安定を手に入れて何年かたったとき、やっと周りが見えてきて、医師になりたいという気持ちがやっぱり芽生えてきたんですね。今、「やっぱり」と書きましたが、実は私は高校のときからずっと医学部か東大志望でした。自分にとってのベストは東大理Ⅱに入ってそこから頑張って医学部医学科へ進学することで、それが実現できたらいいなぁなんて夢を見続けていました。
 しかし転機は高校3年生のとき突如訪れました。その時の担任の先生に医学部志望を伝えたら、「これから医者は過剰な時代になっていくから麻酔科医にしかなれんらしいぞ。」などと言われ、「これからの日本は技術で世界と勝負していかないといけないんだ!」と工学部に行くことをを強くすすめられました。 18歳のピュアだった私は担任の言葉を鵜呑みにして、医者になっても働き口がないと思い込み、麻酔科医にしかなれないという言葉に対してもその意味が分からず、「はぁ…そうですか、それなら物理は苦手なので工学部でも生物系の方を考えてみます。」と答えました。さらに「あとお前には東大は無理だから現実的な路線で考えろ。」と言われ、面談のとき、真剣に将来を考えていた私は夢をぶち壊されて、不意に涙がこぼれてきて止まることはありませんでした。
 確かに東大を受けるにはぶっちゃけ学力は足りなかったと思います。しかし18歳のピュアだった私は、もし担任の先生に「お前ならきっと夢を叶えられるから、その夢を追いかけてがむしゃらに頑張ってみろ!」と応援されていたらきっと頑張り通したと思います。そして仮に東大に落ちたとしても、自分に納得をして、担任にも感謝をして、第二志望の大学へ行くことができたと思うのです。今振り返って客観的に見てもあの先生の進路指導はホントひどかったなぁ( ;∀;)
 しかもですよ、あれからだいぶ年数がたちますが医者が過剰な時代になんてなっていません。むしろ医師不足で困っている状況です。最近は医学部の定員も増加してますよね。まぁ当時は確かに養成医師数は抑制されていたので当時としては担任の予想は根拠があったものと思いますが。
 私は人生をだいぶ遠回りしてしまいました。自分の運命を呪ったこともあります。過去の色んな悔しさをバネにして今こそ医師に向けての勉強をがむしゃらにすべきなのでしょうね。…と書いていたら、学校をさぼることを考えていた自分がバカたれに思えてきました。GWはやっぱり勉強しよう!と思い直した私なのでした(^_^)

 



2016年04月25日11:52医学部受験⑥
 今日は医学部受験2年目のチャレンジについて書きたいと思います。1年目で感触をつかめましたので、2年目はどこかには受かる自信がありました。むしろ1年目のチャレンジのときもっと本気でやっておけばよかったなと思うくらいでした。そういう思いもあって1年目では受かるはずもなかった旧帝もしくは旧六医科あたりを目標に定めたのです。そういう大学に受かればまぁ1年遠回りしても自分を納得させられるなと思ったわけです。例えば現役で阪大工学部に受かる力があったとしても、一浪して東大理Ⅰに受かればそちらの方がいい、的な考えですかね(;^ω^)
 ただ2年目は医学部受験のシステムが少し変わりまして、自分にとっては改悪でした( ;∀;)まず、理科3科目を受験できなくなりました(センター物理化学生物は3科目ともいちおー勉強して受験しようと思ってたので)。なので理科を2科目に絞らなくてはならなくなりました。ここで物理化学でいくか、化学生物でいくか迷いました。
 次に、社会の中で現代社会で受験できる医学部が激減しました。1年目のときは現代社会はもちろん、倫理、政治経済、あるいは日本史Aなど2単位科目でも受験できる大学が多かったのですが、それでは4単位科目で受験する人と不公平が生じるという理由からでした。今思えば当時はそこまで考えなかったのですが、確かに2単位科目で受けた方が楽でしたね(;^ω^)教科書の厚さだけでもだいぶ違いますからね。でも当時の現役生などは2単位科目だとセンター後に他の大学・学部に転向しようとした際に受ける資格がなくなる可能性があることから、ほとんどの人が4単位科目のBの方(日本史Bなど)で受験してましたね。ということで倫理と政治経済というまったく異なるジャンルの科目を合わせ技一本のような形で4単位科目とみなして、「倫理・政治経済」というセンター試験特有の科目が誕生したわけです。ただ、現代社会についてはもともと4単位科目でしたので、なぜ受けられる大学が減ったのか今となってはもう覚えてません。たしか何か理由があったのですが、忘れました(笑)。現代社会で受けられる医学部も少しは残ってましたが、選択肢が狭くなってしまうために現代社会での受験は避けた方がいいという判断に至りました。が、自分としてはせっかく現代社会を勉強してセンターで8割以上取れる力を身につけたのに、また一から新しい科目、しかも医学部の勉強とは畑違いの社会を勉強しなおさなくてはいけないという事実を目の当たりにして呆然とし、しばらくは社会を勉強する気になれませんでした。
 先ほど書きました理科についても、非常に悩みまして、しばらくは化学だけを勉強してました。そして受験についての情報を集めるうちに、大半の医学部では二次試験の理科は物理・化学・生物の3つから2つを選択して受験すればよいのに対して、一部の大学では理科の科目が固定されていることを知りました。前回も述べましたが熊本大学なら生物が必須とか、金沢大学だと物理・化学のみとか、九州大学もたしかなんだか縛りがあって、行きたいと思っていた旧六医科や旧帝などに限って縛りがきついので、本当に悩みました。医学部に行くのだから生物で受験しておいた方が医学部に入った後役に立つのは言うまでもありません。しかしその前に医学部に受からなければ意味がないので、得意科目の物理で勝負した方が受験的には有利です。迷いに迷った末、色んな人に相談して決めようと思いました。今思えば卒業してだいぶたつのに厚かましい自分だったのですが、高校のときお世話になった先生にまでノコノコと相談しに行きました(笑)。私は予備校ということころに通ったことがなかったので、受験のプロと言えば高校のときの進路担当の先生くらいしか思いつかなかったんです。そして高校に電話をして、その先生がいらっしゃることを確認して、突撃インタビューに行きました。今から医学部受験をするということにかなり驚かれまして、「・・・今から医者を目指すなんていう生き方はあまりおススメしないが、どうしてもというなら今年がラストチャンスだと思って、まずは医学部に受かることを第一に考えなさい。生物は大学に入ってからいくらでも勉強できるから。なので物理で受験した方がいい。」という答えでした。私はその一言で迷いが吹っ切れ、物理化学で受験することにしたのです。
 なお、社会はいつまでもふて寝してるわけにもいかないので、現役のときのちょびっとは残ってるであろう貯金をあてにして地理Bで受けることにしました。



 


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2016年04月21日14:32CBTの勉強
 4年生ではCBTを受験します。CBTに向けてもう既に勉強を開始している人もいますし、全く手をつけてないというか、QBすらまだ買ってない人もいます。しかしいずれにしてもさすが医学生というべきか、試験日までにはなんとか帳尻を合わせてほぼみんな合格していきます。私の大学でもCBTで留年したという人はほとんど聞きません。ただまだ少し勉強をかじった程度ですが、私の印象でははっきり言って私はまだ全く合格ラインが見えないほど知識がないということに気づきました。1周目で解ける問題はほとんどありません。さらに落胆することには、解説を見ても「そんなん習ったっけな?」というレベルのど忘れをさらけ出しています(T_T)こりゃ今のうちに勉強を始めておいて正解ですわ…(;^ω^)
 さて私はギリギリデジタル世代だと思っていたのですが、今の勉強のシステムは私には驚嘆するに余りあるほどのデジタル化(バーチャル化?)が進んでいます。私はどちらかというと紙の媒体で勉強して、分からなかったところは自分の手で余白に書き込んでいくといった方法を取りたい派なのですが、CBTの勉強ではオンラインで勉強するのがとにかく便利になってます!分厚いQBが5冊もあると持ち運びも不便ですが、オンラインだと同じ問題をスマホ1台あればスキマ時間にでも解くことができます。もちろん解説も同じものが表示されます。分からなかった問題だけを再度解くこともできますし、一周目問題という基本的な問題だけをピックアップして解くこともできます。さらに今年からのようですが、国試対策用の講座の動画も見ることができます。その動画というのがなんかすごくて、近未来的な講義なんですよ(@_@)。先生がただ一人で立っておられて解説を始められるのですが何もない空間に解説中に突然デジタルのホワイトボードみたいなボードが出現してきて(既にそのホワイトボードには図やら文章が書かれてあります)、先生にはそのボードがどう見えているのか分かりませんが、その先生がそのバーチャルなボードに手書きで解説を加えていきます(バーチャルなボードなのに手書きで上書きできるという不思議さ)。解説が終わるとそのボードは消えてはまた新たなボードが出てきますし、魔法を使ったような講義が受けられます。先生が板書する必要がほぼないので時間的なロスもなく、非常に分かりやすい説明で、目から鱗が落ちます。今受けてる医学部の授業がショボく思えてしまいます。
 時間効率を高めて勉強しないと現代の医学の膨大な知識を詰め込むことはもはやできないのかもしれませんね。頑張ります!!( `ー´)ノ



 


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2016年04月18日21:29憧れの医師
 初期研修2年目の先輩とお話しする機会がありました。最初はどんな人かも分からなかったのですが、とりあえず医学部の先輩で研修医ということだったので、初期研修病院選びについて色々と気軽に質問しました。大学病院と市中病院はどちらがどういいのかとか、研修医の仲は良いですかとか。あまりに気さくに答えてくださったので調子に乗ってしまい、医者ってやっぱモテますかとかまで(笑)…調子に乗りすぎました。
 その後その方とお別れしまして、その方をよく知っている後輩によくよく話を聞いてみるとその人のスペックがすごすぎでした!なんかいいガタイしてるなとは思ってたんですが運動面ではあるスポーツで日本トップレベル、勉強面でも成績は学年で常に上位、USMLEも高得点で合格し(ステップ3まで合格されてます(◎_◎;))、英検1級、TOEICなんか満点など、枚挙にいとまがありません。しかも顔も性格もイケメン。天は二物を与えずと言いますがまったく当てはまってません。
 そんなすごい人だとはつゆほども思わず、その方が優しいことに調子に乗ってアフォーな質問を浴びせまくっていた自分が恥ずかしくなってしまいました(*´Д`) その人に追いつくことはもはや不可能ですが(断言!)、自分も勉強をしなくてはと思いっきり刺激を受けました。しかし医学部に入るだけでも優秀と思っていたのですが、上には化け物並みのすごい人がいるものですね。

 


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2016年04月15日23:17高齢者の医学部再受験
 再受験について、以下の質問を受けました。
「再受験って何歳くらいまで許容されるんでしょうか? 
中には学士入学で50歳代の人もいるようなのですが、あくまでもそれは例外だと思います。 在学大学の場合、再受験生での年齢構成とか。 再受験生の入学後の進路とかの制約とかあれば、教えていただけないでしょうか?」
 これらの件についてはいつか触れようと思っていたのですが、せっかくなので今日私個人の意見を書きます。

 高齢で医学部を再受験することに対して賛否両論があることは周知の通りです。年齢が高くなればなるほど賛否の「否」の方が多くなってくるでしょう。しかしあえてこの質問に答えるなら何歳でも許容されると思います。私の知っている範囲でも
私の大学の方ではありませんが、60代の方が2人いらっしゃいます。そのうちの1人はもう医師として働いておられます。私の大学でも数年前に50代の方がおられました。というか、50代の学生の存在ははちらほら聞きます。…などと言いましても証拠をお見せできないのであまり説得力がないように思うので、そういうことがきっちり事実となっていることをいくつか紹介します。

①まずは東大のホームページ!↓

http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_013_j.html
「年齢が高いという理由で不利になることはありません」とはっきり書かれています。さすが東京大学ですね!

②今年の医師国家試験合格者の最高齢は58才!↓
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/290901
これはたまたま佐賀新聞ですが(笑)、他の新聞記事でももちろん見れます。過去の医師国家試験の最高齢も調べれば分かりますがだいたい50代~60代です。

③最近のトピック!↓
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150409_25006.html

「還暦の新人医師が出発、へき地で働く」という記事です。

 確かに50代以上の人は質問者のおっしゃる通りレアケースでしょう。しかし年齢のせいで医師を志すこともできないということとはならないと思います。また制約についてですが、私もそういうことが気になって色んな先生に聞きましたが、30代くらいで医師になるのであればあまりないということでした。以前、心臓外科の教授の授業があった時に、「年齢のせいで心臓外科に進めないということはありますか?」と質問されていた人がいますが、答えは「大丈夫。ただし年齢がいってる人はあれもこれもというのではなく、自分の得意とする分野を絞れ。」ということでした。高齢者だから不利かもしれないが無理ということはないということです。

 
 ところで、今の時代は定年を迎えた後、自分の好きなことを勉強したいと大学に入学する高齢者もたくさんおられます。なぜそれが文学部であれば問題ナシなのに、医学部であれば問題アリなのでしょうか。「否」の方々の言い分の一つは「医師を1人養成するのには1億円ほどかかっていて、特に国公立大学であればそれは税金から支払わるものだから、医師になった後働いて社会に還元できる期間が短ければ税金の投資に見合わない。」といったことのようですね。さてこの言い分に対して疑問があるのですが、まず医師を養成するのに本当にそんなに大金がかかっているのかということです。私は今医学部の4年生なので平均して計算すると1億円の3/6、つまり約5000万円かかっているということになりますが、どこでそんなお金が必要だったのかよく分かりません。例えば解剖実習で解剖させていただいたご遺体も、その方の生前の尊い意志で無償で提供されたものです。他に今までに行った実験についても確かに顕微鏡なんかは1台何十万もするでしょうけれど、1回で何十万もかかるわけではないですからね、顕微鏡は少なくても10年は使えるでしょうし…。また地域の病院見学に行ったりもしましたが、それは医師会の善意で特に費用をかけずに行かせてもらえています。あと授業の大半を占めるのが講義ですが、これは他の学部とかかる費用(人件費?)はあまり変わらないと思います。こないだも同級生と、私立の医学部の学費が数千万円もかかるのでどこでそんなにお金がかかるんだろうねと話していましたが結局よく分かりませんでした。
 むしろ私が以前在籍していた理系の大学での研究はまさに億単位のお金がかかっていました。素粒子の加速器の設備だけで数百億とかかかってます(加速器の半径が数kmという怪物並みのでかさです 笑)。もちろん先ほどの顕微鏡と同じで一回で数百億使うわけではありませんが、それでも電気代がめちゃくちゃかかるらしくて一回の実験の電気代が数百万円とのことでした。また私の場合、卒業研究に必要な機械が一つどうしても足りなくて、教授が私の研究のためにわざわざその機械をアメリカから購入して下さったのですが、それも数百万円という代物でした。これももちろん私が使って終わりというわけではなくて、後でまた誰かが使えるものですが…、とにかく普通の理系の大学もたいがいでない金額を使ってますよ? 


 質問された方へ。もし本当に医師を志すとしたら、あんまり年齢を気にしないで頑張ってみたらどうでしょうか?ぜひ高齢医学部受験否定派の人々に「おっさんもなかなかやるな!」と言わせるほどの働きぶりを見せて欲しいです。病で苦しんでいる人はたくさんいます。医師たちが年齢など関係なくスクラムを組んで共に病魔と戦っていく姿を想像すると、カッコイイーじゃないですか。
 ただそのためには、先ほど何歳でも許容される思いますと言っておきながらそれと矛盾するようですが、極端に高齢で医師を目指すとそれは難しくはなります。医学部受験を考えている人なら知ってることでしょうけれど、医学部卒業後の2年間の初期研修が必修化されました。つまり医学部は8年教育になったとも言えます。そしてその研修はスーパーローテートといって色んな科を回りますからその2年間が終わった時点では自分の診療科はまだありません。自分の専門の診療科の勉強をするのはその後の後期研修に入ってからです。まだ新しい専門医制度が始まっていないので何とも言えませんが、後期研修3~4年で内科、外科、などの19の大まかな診療科ごとに分かれて勉強し、さらにその後内科の中の例えば呼吸器内科、循環器内科、消化器内科などというサブスペシャルティを勉強していきます。
 ちょっと難しい話になりましたが、とりあえず今のシステムだと普通の臨床の医師になるのに少なくとも8年+3~4年で11~12年、さらに細分化していくとさらに数年かかるということです。それを見据えて逆算すると、高齢の線引きがなかなか難しいところですが、個人的には医学部受験は40才くらいがギリギリラインなのかなぁと思います。

  



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2016年04月13日21:28直撃!コロシアム!!ズバッと!TV
 「直撃!コロシアム!!ズバッと!TV」という番組が一昨日放映されました。医者50人に対してMC辛坊治郎さんとサブMC山里亮太さんが、色んな質問をぶつけて本音を語ってもらうという企画でした。興味があったので最後まで視聴しました。
 お金のこととか、普段なかなか聞けないことをずばずばと聞いていくスタイルは斬新でしたが、その質問に潔く答える医師たちの姿が、本音で潔く答えているにもかかわらず私には好印象にはうつりませんでした。病院によっては入会金を100万円支払ってゴールドカードのようなカードを作ると順番待ちを早めにしてあげるといった話とか、袖の下の嬉しい受け渡し方とかその金額がいくらくらいかといった話とかが、具体的に挙げられていました。確かに医師も人間で、聖人君子ではないことはみんな分かっています。中にはそういう医師もおられると思いますが、医師自身も生活もありますし家庭も守っていかなくてはいけませんので、お金にまったくとらわれないで医師をやっていくことはできないでしょう。
 しかしそれがあまりにも前面に出されすぎて、しかもそのスタジオに集まった医師たちが日本を代表するような名医ばかりということだと、患者さん側の立場から見ると、極端に言えば日本の医療の現実はお金によって人の命の値段がつけられてると言っても過言ではないと思えてしまうような気がしてなりません。ただ例えば天皇が心臓の手術をされたときに、その分野では日本の最も優秀な医師たちが集められて手術をされたことは国民の一人として嬉しかったですし、そのこと自体を批判する人は少ないと思います。かといってすべての国民にそういった日本一の人材と設備をもって医療を提供することは物理的にも不可能です。その格差を埋めるための根拠がその人の社会的地位や支払えるお金ということになるのでしょうか。
 うーん、難しい問題ですね。私も再受験でこの世界に飛び込んでいくので、現役でストレートで医師になっていく人たちと比べたら手術の経験数や手技の熟練度では到底かないません。日本一どころか日本の平均的な医師以上の力をつけられたらそれで御の字と言えるかもしれません。しかしもし私が現役でストレートで医師になっていたら人の痛みが全く分からないまま医師になってしまって、いくら腕前が良くても「お金お金」とお金ばかりに目がくらむ医師になっていたかもしれません。いずれにしても、将来、私の手では救えなかった患者さんが、お金を多く払ってでも名医のところに行かれて救われたとしたら、悔しいといいますか、やるせなくなります。私はある一つの臓器の中のさらにある一つの疾患に対してだけを専門に診るような、つまり極端に狭く深い医師を目指すべきなのでしょうか。それとも今の時代求められている総合診療医のような、特別な専門はなくとも広く浅く診察ができる医師を目指すべきなのでしょうか(誤解のないように言っておきますが総合診療医には専門性がまったくないというわけではないと思います…)。

  


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2016年04月10日11:10医学部受験⑤
 以前ご紹介したように、「小手調べあわよくば合格」の受験は不合格に終わりましたが、手応えは十分でした。4ヶ月勉強してセンター700点なら、1年頑張れば…ムフフな結果が得られるだろうと思い、モチベーションが高まらないわけもなく、新年度の慌ただしさが落ち着いた4月中頃から早速受験勉強の一年計画を立てました(実際にはセンターまで9ヶ月ほどしかありませんでしたが 笑)。今度は二次試験も見据えて参考書や問題集を揃えました。後々見返すと自分で自分を褒めてあげたいと思わせることになった一日のスケジュールを一週間ごとにまとめたシートも自作しました。私はどちらかというとマーク式のテストが苦手で、記述式のテストの方が得意なので二次の配点が高いところを目標にしようと思いました。そうですね、当時の勉強日記を見ると第一志望は九州大学、あとは熊本大学や名古屋大学などが書かれてありました(汗)
  ただ仕事をしながらの受験勉強だったので、今思えば親にお世話になってでも仕事をやめて予備校に通った方が良かったんじゃないかなと思います。さらに言えば国社数理英の5教科で勝負する一般受験よりも、生命科学と英語で勝負する学士入学の予備校に通った方が良かったんじゃないかなと思います。

 ぶっちゃけ、医学部入学後はあれだけ勉強した数学など全く使うことはなくて(教養の数学はありますがうちの大学の数学は高校数学とは別物でした) 役にたったものと言えば、英語!…だけですかねぇ。せめて理科で生物を選択していたらそれはすごく役にたったものと思いますが私は現役の頃の貯金をあてにして、物理化学で受験してしまいました。実際、学士入学で入ってきた方々から話を聞くと、学士入学は見かけは倍率が数十倍にもなっているが、記念受験組、また出願しても受験すらしない層も結構いたりして、さらに日程が重ならなければ何校でも受験できるので、実質倍率は相当低くなるのではないかとのことでした。うちの大学についてだけ言えば学士の方々のスペックも東大京大卒というような超高スペックという人は今のところほとんど見かけませんねぇ。またこれもあくまで結果論でしかないのですが、最終的に合格した年の入試の成績を開示しましたら、私の合計点は合格最低点を100点近く上回っていたので、物理一科目丸々0点でも(二次のこともあるのでここでは社会が丸々0点でも、と置き換えることにしましょう)受かっていたわけです。
 せっかく医学を志すわけですから医学部の勉強に直結する学士入学がいいですよ。私は部活の新歓コンパのときに、顧問の教授に「なんで学士入学にせんかったんや~(アホか)!」というレベルで一喝されました(ToT) そんなぁ~ 、頑張ったのに、頑張ったのにィィ~(ToT)先ほど書きましたが当時の一週間のスケジュールの紙を引っ張り出して見返すと、まぁよく勉強してますわ(*´ω`*)自分が可愛いと思えるくらいに。現役の頃の数倍は勉強してますね。その努力自体は無駄話ではなかったと信じたいですね。

 ところで学士入学って難しそうだと思いますよね。私も学士入学で受かったわけでも受けたことすらもないですが、学士の人に見せてもらった学士入学用の予備校の講座のビデオ、目から鱗がおちるほど分かりやすかったです(^^; それは医学部の授業を受け続けた者からすれば、の話かも知れませんが。


※最初に目標に設定した九州大学や熊本大学は後日生物が必要と判明し、早々と撤回しております 笑                                                              
                                

 


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2016年04月09日10:31CBT
 他の大学の4年生はもうCBTの勉強は始めてるのでしょうか。CBTはすべての大学の医学部の学生が受験して、それに合格しないと病院実習ができないというものですが、CBTの実施時期は各大学によって異なります。私の大学では12月に行うとかもっと時期を早めるとか言われてますが未だ説明もなく、同級生たちもまだのんびりしていて、CBTの話題を振ってもまだ勉強してないよと一蹴され、自分だけが不安でぶるぶる震えています(笑)
自治医科大学なんか実習を重視している大学なので相当早い時期にCBTを行うようですね。てかもう既に終わってるんじゃないかなぁ…早すぎる(◎_◎;)
 大学受験のときも部活でもそうでしたがそういう不安をなくすには勉強(練習)するのが一番!と思い、早々にCBT用のQB(クエスチョンバンク) を購入しました。今年は去年より少し発売日が早くなったみたいで私みたいなノミ心臓の持ち主には朗報です!しかも今年のQBから、そのQBに載ってるシリアルナンバーを登録すれば、オンラインでも同じ問題が解けるようになりました。これ早速使ってみましたが、かなり便利です!!すきま時間にスマホで1、2問でも解くことができます。うさぎと亀の競争に例えるなら私は亀を目指します!(笑)ただ、私にはスマホの画面が小さすぎてちょっと見づらいです(まだそんなはずはないのだが老眼の兆候か??)次の機種変更ではもう少し、というか一番大きい画面のサイズのものに換えようと心に誓ったのでした…、が、次の機種変更は来年の2月(もうCBT終わってるやん( ;∀;))。

 


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2016年04月06日16:52新年度の授業
 新年度の授業が始まりました。高校までみたいに始業式やクラスの係決めなどのイベントがあるわけでもないのでワンクッションなくいきなりトップギアで授業が始まります。春休みで羽をのばしていたとはいえ、そんなこととは関係なく、授業があまりに退屈です。レジュメを配って学生の方ではなくスクリーンの方をずっと向いたままスクリーンに写し出された文章をレーザーポインターで追いながらただ読み上げていくだけの授業。そんな授業をする先生が少なくありません。大学の先生は教員免許を持ってる訳でもないし、という人もいますが、何といいますか授業が下手くそでもいいから何らかの熱意が伝わってくるものが欲しいのですがそれが感じられないんですよね。学会なんかでも大人数に対してお話する機会があるはずですがこんな感じでお話になってるのかなぁ。マイクの電池が切れたら電池を入れ換えもせずにお話しになるものですから、講義室の半分より後ろに座っていたら先生の声すらよく聞き取れません。従ってふと周りを見回すと机に顔を伏せて寝てる学生も少なくないですね。これで学生を責めるとすれば学生がかわいそうです。

 しかし、決してすべてがそういう授業というわけではありません。いわゆる能動的学習と言われる授業があって、先生も交えて学生同士でディスカッションしながらあるテーマについて調べ学習をしていこうという科目があるのですが、それはなかなかの面白さを醸し出しています。

 医学部に入ってくるくらいの高い学力を持った学生だからなのかは分かりませんが、議論のレベルも高いし、議論を深めながらもテンポもいい感じですいすい進んでいきます。私は議論をするのが元々好きなのですが、なるほどねーと思わせてくれるような、大袈裟に言えば自分の価値観をぶっ壊してくれるような意見を出してくれる学生もいて、時間があっという間に過ぎていきます。やはり特に若い学生は潜在的なポテンシャルをもってるなと思います。また先生もそういうのを放置して見守っているだけということはなく、その議論に一緒に入って下さって、さすが幾多の修羅場をくぐり抜けてこられた教授だと思わせるような巧みな言葉で議論に良い刺激のスパイスをかけて下さいます。

 まぁこの授業は少人数制なのですべての科目でこの形式をとるのは学校側の負担が大きくなりすぎるでしょうし、講義形式の授業が必ずしもよくないというつもりもありません。講義形式の授業でも、学生の好奇心を煽るような、魅力的な授業作りはできると思います。

 仲の良い先生にちらっとそういうことを言いましたら、大学の先生方というのは朝から晩まで大学病院の医師として診療をしていて、それが終わったら夜に自分の研究をして、毎日疲弊しているとのことで、なんとか時間を空けて授業にやっとこさ来てるような感じだということでした。当初、やる気の感じられない授業に対して悪印象を抱いていましたが、確かにそんな生活をしていたら授業の準備の時間はなかなか取れないだろうなぁと同情してしまいました。今目の前で授業をしている先生方の後ろ姿は、今の大学病院の業務の忙しさ、医師の大変さ、医師不足、など色んなものを写し出している鏡のように思えてなりません。






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2016年04月02日13:36USMLE
 USMLEとはUnited States Medical Licensing Examinationの頭文字をとったもので、米国医師国家試験と訳されます。この受験資格は日本の医学生にも与えられています。とは言え、アメリカの医師の資格を取ろうという意識の高い学生は1学年100名以上の中に毎年数名いるかどうかです。しかし2023年以降は今の日本の医学部のカリキュラムでは大半の大学が受験資格を得ることができなくなります。臨床実習(クリクラ)が72週間以上という条件があって、その条件をクリアできる大学が少ないからです。そのため日本全国の医学部ではカリキュラムの改変が行われていて、2023年までに臨床実習を大幅に増やそうとしています。ただ、今まで40~50週間だった臨床実習を72週間にするわけですから、差し引き20~30週間の時間を捻出するためには座学を減らしたり長期休暇を減らしたりして対応しないといけないわけです。
 先ほど書きましたように現状ではほとんどの学生はUSMLEを受験していないですから、その数名のためにカリキュラムを大幅に変えるというのはどうなのかなという思いもありますし、一方では世界基準にきちんと合わせたカリキュラムで医学を勉強し、そういう基準を満たした大学を卒業したい思いもあります。
 ただそのカリキュラムの変更をちょびちょび行われている過渡期の私たちの前後の学年の学生にとっては困りごとでもあります。大学によってカリキュラムの変更を一気に行うところもあるのかもしれません。が、私の大学ではカリキュラムの変更が一気には行えない事情があるようで、40週だったものを次の年から44週に、その次の年からは48週に、その次の年からは50週に…、などとちょっとずつしか増やさないので、毎年臨床実習は増えているのですが72週間以上という条件は到底クリアできません。つまり私たちの学年の学生は臨床実習が増えて負担は増えるけど、基準は満たさないということになります。まぁ私たちの卒業年度は2018年度なので新基準を満たさなくても受験資格はあるのですが。
 それにしてもそのために初期研修の病院見学に行く時間が取れなくなったり国試の勉強時間が十分に確保できないようになるとしたら、そのちょびちょびとした変更は本末転倒になるといいますか、改悪のように思います。今の段階で72週間臨床実習をして新基準を満たして卒業したい人がいるなら、それらの人だけ長期休暇や国試直前まで実習を取ることができるという希望制にすればよいのではないかと個人的には思うのです…。

 
  



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