2016年03月

2016年03月31日05:32医学部の留年②
 進級発表がありまして、1年生→2年生、2→3、…、5→6の合計で事前の予想通り、数十人が進級できませんでした。同級生については分かるのですが、他学年は部活の先輩後輩や又聞きでしか分からないので誰が何の科目を落として進級できなかったのか、ということまで詳細には分かりません。しかし最近1年生から2年生への進級ができない学生が増えているような感じがします。上の学年になって振り返ってみれば、1年生の科目の中にも確かに難しい科目もありますが、めちゃくちゃ頑張っても無理ということはないと思うので、学習内容の深さ・授業の分かりやすさで高校と大学を比較すると歴然としたものがあるのでしょうね。大学の方が学習内容の深さは深くなり、授業の分かりやすさは分かりにくくなるという意味です。医学部のカリキュラムがますます過密化しているのでそのギャップについていけない学生が増えているのかもしれませんし、最近医学生の学力が低下していると言われているのでそのせいかもしれません。特に予備校講師のプロのなせる授業を予備校で1年間受けた人にとっては、大学の授業がこんなにもつまらなく分かりにくいものかと落胆していることでしょう。大学の先生もそのあたりの事情については分かっておられるようですが、特に悪びれる様子はなくて「大学とは自分で勉強する場だ」「嫌なら辞めればよい」と軽々しくおっしゃる先生がどちらかというと多数派で、魅力的な話題を提供したり授業を分かりやすくしようと努力して下さる先生の方が少数派です。その先生方の違いは授業を受けている学生から見れば明確です。またそれは学生の授業態度にも現れてきます。前者の先生の場合は授業中、別の科目の勉強をしている学生(いわゆる内職ですね)や、スマホをいじったりパソコンでゲームをしている学生もいます。そういう先生に限って出席をきっちり取ろうと躍起になっておられるのですが、逆に言えばそうでもしないと出席する学生が少なくなるからです。後者の先生の授業は、特に出席を取るわけでもないのに学生の出席率は高いです。良い授業をすれば、良い反応が返ってくるということですね。前者の先生方の中には「授業態度が悪いのは学生が悪い」と決めつける方がいらっしゃいますが、その前に自分の授業を見直してもらいたいものです。
 なお大学の方はといえば授業改革などと称して、より良い授業作りのために授業アンケートなるものをたまに実施していますが、学生たちがどう評価しようと、また何とコメントしようと、少なくとも私の在籍していた数年間の間に特に変化は見られません。毎年同じレジュメで同じ内容をただ一方的に話すのを繰り返しているだけの先生もいます。大学の先生が忙しいのは分かるのですが…。
 もし、医師国家試験の合格率が低いから進級判定を厳しくすれば改善するという考えがあって、留年生を増やすとしたらそれは間違っていると思います。また、色んなサイトで進級が厳しい大学、緩い大学などが分類されていて、真偽のほどは定かではありませんが、留年生が多い大学ほど医師国家試験の合格率が高くなっているという相関関係が見られないことからも言えます。それでは医師国家試験対策はどうしているのかといいますと、主に医師国家試験対策専門の予備校があって、その予備校の先生の授業をネットで見れますので、その講座を購入して先輩方はそれを見て勉強しているということです。


 


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2016年03月28日21:31高校野球の微妙な判定
 今日は熊本県の秀岳館高校と千葉県の木更津総合高校との高校野球の対決をテレビで観戦していました。
 木更津総合高校1点リードの9回裏、2アウト3塁。一打ヒットが出れば同点、さらに続けば逆転サヨナラという場面。ピッチャーの早川選手が素晴らしかったです。フルカウントから渾身の一球。最高のコースで完全にストライクが決まったと私は思いました。しかし審判の判定はなんとボール。それでフォアボールとなり出塁。次の打者にヒットを打たれ同点とされ、さらにヒットを打たれて逆転サヨナラ負けとなりました。先ほどの渾身の一球がストライクと判定されていればその時点でゲームセット。勝敗は逆となっていました。早川投手にとって、木更津総合高校にとって厳しい判定でした。
 ところでセンター試験も一点刻みがよくないとかいう理由もあって記述が導入されるとかなんとかでもめています。しかし私はセンター試験は50万人もの受験生の学力を的確に迅速に公平に測る、日本が世界に誇れる素晴らしい試験制度だと思っています。確かに1点で泣く受験生もいるでしょう。1点ではありませんでしたが、私もあと一歩のところで医学部合格を逃した苦い経験があります。「センター試験の国語のあの迷った選択肢をもう一つの方にしておけば…」「二次試験の数学の計算ミスがなければ…」、たらればですが、それらがもしあったなら私は1学年上に今いるはずです。しかし受験の世界は厳しいもの。私はセンター試験のミスも二次試験のミスも自分のミスと認めざるを得ませんでした。
 将来もし今のマーク式のセンター試験に変わって記述式が導入され、50万人を対象に人間が採点するとなった場合、採点するためには膨大な数の人手を必要とします。先程のストライクかボールかの判定がその審判によって変わっていたかもしれないことと同様、試験に公平感がなくなって学生の合否が学生本人ではなく第三者によって変えられてしまう可能性を孕んでいます。私はセンター試験の廃止には反対です。記述は現在のように二次試験で個別に大学が行えばいいでしょう。1点で泣くこともある、だからこそその厳しい関門を乗り越えようと受験生は必死に頑張れるのだと私は思います。また人生はその試験の合否ですべて決まってしまうものでもありません。1点で泣いた悔しさをバネにして、次の試験では泣かないようにその人は一層の努力をするものなのではないでしょうか。

 



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2016年03月27日01:00医学部受験④
 そして肝心の問題解決能力試験ですが…、やはりちんぷんかんぷんでした。選択式なので、どれかはマークすることができるのですが、1つの問題に対する解答の選択肢の数がなんと16個!適当に答えても当たりようのない多さでした。適当に答えて当たるということが起きないようにしたのだと思われます。う~ん、う~んと頭をひねりながら解答の道筋さえ見えない問題と格闘していると、不意に眠気が襲ってきまして…、不覚にも医学部入試の本番中に寝てしまいました(*_*;
 次は面接です。私は医学部入試にあまりに無知のまま行ったのだということを控室で思い知らされることになります。私は特に何も用意せず手ぶらで控室に行ったのですが、他の受験生を見てみると、皆さん、「面接対策ノート」なるものを手作りしてきていて、こういう質問が来たらこう答えるということをノートいっぱいにびっしり書いておいて直前まで真剣に見直されていました。いくら記念受験とはいえもっと対策しとかなくちゃダメだったんじゃないのと自分を責め…、本番を体験しておいてよかったと心から思いました。
 面接の中身は特に答えにくい難しい質問はありませんでした。あっという間に終わってしまいました。あ、ただ一つ医療関係の時事問題について聞かれました。そのときの面接の様子を記録していますので以下に紹介します。

 面接は5分程度、面接官は3人で、1人だけが喋り、残りの2人は話を聞いているだけ(何か書いて記録していた)。答えたくない質問には答えなくてもよいということで面接が始まる。

○高知には来たことあるか?→旅行で一度来たことがある。
○高知はどうか?→暖かい。
○地域枠を志願しているということだが、地域枠だとある程度高知県に縛られることになる、いや本当はずっと高知にいてほしいと思っているのだが、その辺はどうか?→自分には故郷というものがないので自分の中でどこかに根付きたいという願望がある。高知はちょうどいいと思う。
○なぜ高知を選んだか?→四国は人情味にあふれていると聞いていたから…(汗)
○どうして医者になろうと思ったか。→人の心のケアができる専門家になりたいと思ったから。
○そういうのは臨床心理士やカウンセラーでもできると思うが?→私も当初カウンセラーの資格を取ろうとしたが、カウンセラーの資格をとっても定職がない現状に直面した。正直なところ自分の生活があった上での仕事なので経済的な面からも安定している医師を志した。
○自分の生活があった上で仕事をしたいということですね?→はい。
○それでは心療内科のような科を目指してる?→当初そう思っていたが、最近、産婦人科や小児科などで人手が足りないことを知り、必要とされるならそういう分野に飛び込むのもいいなと思い始めた。今は実態を知らないままで話をしているので、これから6年間の勉強の中で具体化していきたい。
○自分が必要とされるならそういうところでも働きたいということですね?→はい。
○今の医療界で一番の問題は何だと思うか?→医師不足だと思う。
○どうしてそう思うか?→自分が接してきた医者を見る限り患者と向き合う時間があまりとれてないように見受けられるから。
○忙しいのは当たり前では?→確かにある程度忙しいのは仕方がないが、今の現状は限度を越えている。例えば教育界でも40人学級を35人にするなどハード面を整備している。医療界でもそういった努力はまだできるはずだ。
○もし受かったら何を経済的な糧にするか?→地域枠で受かれば奨学金をいただけるということだし、また地域枠でなくても奨学金を借りることになると思う。
○奨学金とアルバイトで生計を立てるんですね?→はい。

以上。




結果は・・・、不合格!! 

  
 



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2016年03月26日16:37医学部受験③
 さて再受験として初めて受けたセンター試験後、二次試験をどこの大学に出願するか考えました。センター試験の点数は700点ですからどこを受けても受かる見込みは非常に低いです。しかし本番を体験してその感触を確かめたいという思いが最初にあったわけですので、もともとの目的を果たそうと気持ちを切り替えました。どこかの医学部を受験して、医学部受験の会場の雰囲気はどういう感じか、面接はどのように行われるのか、どのようなことを聞かれるのか、再受験生に対する圧迫面接のようなものがあるのか知りたいと思いました。前期後期合わせて2つしか受けられませんから、受からないのに受ける受験校をどうするかで悩みました(笑)。面接が行われていて(当時は面接なしという大学もちらほらありました)、再受験生が多そうな大学。うーん、それだけでは結構な数がありました。この際どうせなら東大理三でも記念受験してみようかとも思いましたが、700点だと足切りで門前払いですね…(T_T)。というか足切りがないか、あっても700点で足切りされない大学を探さないといけませんでしたので、よく考えましたら受験できる大学は限られてきました。
 結局、前期は当時ユニークな入試を実施していた高知大学を、後期の方は仕事もありましたし、出願しないという選択をいたしました。当時の高知大学は二次試験は数学・理科・英語といった学力検査ではなく、問題解決能力試験という形をとっていました。 過去問を見ても全く解ける気はしませんでしたが、それは他の受験生も同様に感じたのではないかと思います。その問題解決能力試験にどう対策したらよいかも分かりませんでしたが、そのユニークな試験を実施する最後の年であるということもあって、受けてみたくなったのです。あの難解な問題に対して現役の高校生がどう対策をしていたのかいまだ謎なところですが…。
 高知大学は足切りの設定が7倍ということでしたが、その年は受験生数が7倍を超えてしまって足切り発動。一瞬ひやりとしましたが、なんとか足は切られませんでした。試験前日に高知入りし、試験当日を迎えました。高知駅から高知大学行きのバスに乗ろうとしますと受験生とみられる集団がぞくぞくと乗り込んできました。窮屈な思いをしながらやっと高知大学のキャンパスに着いて、会場に座って、ふと周りを見てまずびっくりしたのは受験生の年齢層の高いこと高いこと。私も人のことは言えませんが、学生服を着ている現役生は少なく、はっきり言いますとお兄さんお姉さん、おじさまおばさまばかりでした(;^ω^)。性別は男性の方が多かったです。センター試験の受験票を机の上に置いておくよう指示されたので、休憩時間に他人の受験票をチラチラとチラ見しながら歩いていくと私の列のほとんどの人が私よりも年上でした。親近感のある「昭和」生まれのオンパレードです(笑)。私は医学部を再受験するのはかなり少数派かと思っていたのですがそのとき初めて、医学部を再受験する人が予想以上に存在していることを知ったのです。

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↑の写真はセンター試験の写真ですが、高知大学の入試もこのくらいの会場で、このような感じで行われていました。





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2016年03月25日14:13医学部受験②
 私は医学部再受験にあたって、まずはセンター試験と二次試験をいきなり受けてみることにしました。受験勉強スタート時の自分の学力がどのくらいかを本番で測った上で、自分は頑張れば受かる見込みがあるのか、あるいは受かる見込みはなさそうなのか、を判断しようと思ったわけです。幸か不幸か、医学部受験を始めようとした時期がちょうどセンター試験の出願の時期のちょっと前くらいでした。私は社会人として仕事をしていたので受験勉強をする時間もそんなに取れないし、センター試験であまりにも点数が取れなければ再受験をあきらめるということも考えないといけませんでした。しかしどうしても現役のときの自分のことを思い浮かべてしまってなぜか妙に自信がありました。大学まで卒業した者が高校生には負けないだろうとあなどっていたのかもしれません。
 二次試験対策をする時間はなかったのでセンター対策のみ3か月ほどやりました。それから予備校が主催しているセンタープレテストを受けましたら 8割以上取れましたので、これはもしかして楽勝コースなのではないかと思い上がりましたし、そのもしかしてという思い上がりによってテンションも高まりはじめました。
 しかしセンター試験の本番当日、自分では何が起こったのか今でもよく分かりません。国語が現代文も古文も全く読み取れないのです。また理科も確かに勉強不足感はありましたが、いつもなら合ってるかどうかは別としてすいすい解き進められていたのに解法すら思いつきません。
 結果は…。送られてきたセンター試験の成績のはがきをどこにしまったのか、今見当たらないので見つかったら後日修正しますが、だいたい英語190、数学180、社会90、国語110、理科140、合計700点でした。英語・数学・社会は上出来でしたが、国語と理科で爆死。小手調べのつもりがあわよくば合格できるかもとたかをくくっていたのですが、惨敗でした。そしてその後医学部受験に本気で向き合って勉強を始めることにしたのですが、それにもかかわらず成績が伸び悩み、不合格通知を受け続けるという、地獄のロードが私を待ちうけていたのでした。そんなに長く辛い受験生活が始まるとは、最初にセンタープレテストを受けて高得点をたたき出した自分には当初は全く想像もしませんでした。また、センタープレテストでなまじ良い点数を取ってしまったために医学部受験を自分に決意させたのですが、そのために点数はある程度取れるのになかなか合格はできないという悔しさを味わい、もどかしさを感じさせられ、精神的に追いつめられていくことになるのでした。
 その年の倍率やその大学の入試問題との相性など、学力以外の要素も含めてその総合力をもって初めて合格を手にすることができるということ、また医学部に合格するということがいかに大変なことかを医学部受験を通して痛いほど身に沁みました。
 参考までに当時のプレテストが残っていたので写メをアップしておきます。 

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※修正※
すみません!よく見たら↑のプレテストはその次の年のものでした(笑)。たしか8割は超えてたけどこんなに点数良かったっけなとふと思い返して、よくよく探してみたらその前の年のも出てきました。紹介する順序が逆になりましたが、もう晒してしまいましたので↑の画像も残して、以下に、記事の中に出てくる最初の前年度のプレテストの写メをアップします。慌てて撮り直しまして…(汗)、年度のところを強調しようとして少々斜めになっていますがご了承くださいませm(__)m

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2016年03月23日10:11医師国家試験合格発表
 先月6日から医師国家試験が3日間にわたって行われ、今月18日に合格発表がありました。医師国家試験は全国各県で行われるわけではなくて、ブロックごとに行われるので、私たちの大学では6年生の先輩方がバスに乗って会場のある県まで行かれました。出発するときには後輩たちがわんさか集まって、エールを送りました。私も応援に駆けつけましたが、先輩方は緊張というよりは、勉強をやり切った感じの余裕の表情を見せる方が多かったように思います。
 合格率はここ10年では最高の91.5%!試験から帰ってきた先輩の話を聞くと「今回は傾向が変わって難しかった。」という方が多くて心配していましたがそれは杞憂に終わりました。先輩の話の続きですが、国家試験に向けての勉強量は相当なものがあったようで、「一生のうちで一番勉強した!」そうです。普通の学期の定期試験の勉強ですら私としては限界まで自分を鼓舞しているのですが、そのテンションを長く維持して勉強をしまくるわけですから長丁場の戦いを精神的にも耐えられるかどうか、それも試されるわけですね。
 それもそのはず、医師国家試験に受からなければ医学部で6年間勉強をして卒業をしたとしても医師として働くことはできません。また、内定していた初期研修病院もそれは取り消しになります。これは不合格だった本人はもとより、病院にとっても痛手となります。
 なお、再来年度から医師国家試験は3日間で500問から2日間で400問へ変更となるようです。一見負担が減って楽になるように見えますが、4年生の後期に行われるCBTと重なっている部分、つまり簡単な部分ともいえる部分がなくなるだけなので、点数を取りにくくなるかもしれません。私は順調にいけばその新・医師国家試験の2年目に受験することになりますので1年前の先輩の受けた試験やその結果を見れますが、学年が私の1つ上の先輩たちは対策が少し立てづらいかもしれません。 


 



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2016年03月22日11:07進級発表
 私の大学の進級発表はまだありません。そろそろ発表の時期だと思いますが春休みももう残り少なくなったこの時期まで進級できるかどうか分からないというのは、進級に不安のある学生にとって不安感の続く春休みとなります。その不安感を抱く学生の数は決して少なくありません。大学の定期試験の本試験も、そしてその再試験も終わってだいぶ時間がたつのですが、進級判定会議のようなものはなぜこんなに遅い時期になるのかよく分かりません。インターネットで検索してみると進級発表があった大学もあるようなので私の大学が遅いだけかもしれません。
 なぜ、進級に不安のある学生が多数存在するのか、それは再試験の結果が発表されないからです。基本的には本試験で合格した学生の学籍番号は大学の掲示板に貼られるので、本試験の合否は分かるのですが、再試験の結果は進級発表のときに合格していたかどうかがやっと分かります。大学は2学期制なので1年間が前期と後期に分けられているですが、 その再試験というのは、前期の再試験も含みます。つまり8月か9月ごろに受験した再試験の結果すら3月末の進級発表まで分からないということになります。そもそも1つの科目だけで数十人も不合格を出す科目はざらにあって、合格者の方が少ないこともあります。また試験の科目数もたくさんあるので、すべての科目を本試験で合格する学生(私たちはそれを「全通」と呼んでいます)は限られた一部の優秀な学生のみです。
 今、「優秀な」と書きましたが、よく考えてみれば医学部に入学できるような学力をもった学生は全員、一般的には優秀と言ってよいと思いますので、その一般的な優秀な学生が必死で勉強しても合格するのが難しいくらいの試験内容ということになります。難しいというのは、1科目当たりの情報量の膨大さ、科目数の多さ、重箱の隅をつつくような問題やひっかけ問題の存在、試験日程の過密度、採点の厳しさ、どんな問題かどんな形式で出題されるのか分からない(最近、過去問があてにならなくなってきました)、授業のレジュメで紹介されていることが教科書やネットでも見つからない、…などが原因として挙げられます。中でも特に難しいのがマルチプルチョイスと呼ばれる問題で、例えば「以下の文章の中から正しい文章を選びなさい。」とあって、5つ文章が並べてあってそこから選ぶのですが、5つのうちいくつ正しいのかすら分からないわけです。時には5つすべて正しかったり、すべて間違いだったりすることがあります。5者択一の選択問題だったら、たとえ正解が分からなくても消去法で明らかに間違いの選択肢を消していって、なんとなく正解だろうなと思うものを選ぶこともできるのですが、このマルチプルチョイスの形式だと、まったく適当に答えた場合、○と×の1/2の反復試行の確率ですから、2の5乗分の1、つまり1/32=0.03125≒3%の確率でしか当たりません。仮にマルチプルチョイスが100問あって1問1点とすると、3点しか取れないことになります。しかも1つ1つの文章はなかなか難解なことが書かれてありますので、それで60点が合格基準ですから本試験で受かる人が少ないのは当然です。私はマルチプルチョイスの試験で、本試験で受かったことは一度もありませんが、受かる人が化け物に思えてしまいます。
 なお、本試験の正答は公表されず、また自分の答案も返却されることはありませんので自分がどこを間違えていたのかフィードバックができず、テストで出された問題は何が正解だったのかとても気になるところですが頭の中でもやもやとなったまま、次のテストに気持ちを切り替えていかなければなりません。テスト期間が終了する頃には自分がどう答えたのかももう忘れてしまって、それに疲労感も加わってもうどうでもいいやとなってしまいます。本当に学生の学力向上を思うなら正答くらいは公表してくれてもいいんじゃないかと思うのですが、大学には大学の事情があってそれはできないようです。
 6年生だけは11月頃に卒業判定が行われるので別ですが、それ以外の学年の1~5年生の学生の合計約600人のうち、数十人が進級できないと思われます。私も他人事ではないのでなるべく進級判定のことは考えないで春休みを精一杯満喫しようという気持ちで1日1日を過ごしています。
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2016年03月21日19:30医学部後期試験合格発表
今日で国公立大学の後期試験の合格発表が出そろったようですね。近年後期日程の縮小・廃止が進んでいますが医学部も例外ではなく、現在後期試験を実施している医学部は全国公立大学医学部の約半数となっています。私も医学部の後期試験を受けたほろ苦い経験があります。後期試験の特徴はセンター試験の点数の比率が高くて、2次試験は数学や理科といった学力をはかる試験ではなくて小論文と面接のみといったところが多く、私はセンター試験の点数がそこまで高いわけでもなかったので、わらにもすがる気持ちで出願しました。足切りはなんとか逃れましたが逆にそれが医学部受験において最後の最後まで精神的に追い詰められられることとなりました。合格か不合格かで次年度の生活がまるで変わるわけですから、その合格発表がこの時期まで引っ張られると次年度の生活の準備もできません。せめてもう少し早く結果を出してあげてほしいなと思います。私は出願の段階で足切りされていた方が気持ちが楽だったかもしれません。
 ところで後期試験ではセンターの比率が非常に高い大学があるのですが、そういった大学では仮に2次試験で満点をとったとしても受かる見込みがない受験生もいて、その受験生たちも試験を受けに行きます。それは合格の可能性が1%に満たなくても最後まで諦めないという気持ちからかもしれませんし、もう気持ちを切り替えて次の年の受験のための面接の練習と割り切っているからかもしれません。先ほどの考えと同様なのですが、2次試験で満点を取っても合格点に達しないと思われる受験生は出願の段階で足切りを発動させてあげた方がよいのではないかなと個人的には思います。
 また、面接に関しては教授の一人がおっしゃっていましたがたかが10分程度の面接でその人の人格などを見抜くことができるとは思っていないとのことで、点数化することに少し違和感を感じるとのことでした。あくまで1人の意見ではありますが。ただ受験生はまさに命を削って1年間を受験勉強に捧げてきているわけですから、面接も圧迫面接や上から目線の面接は辞めてほしいです。私は今でも覚えていますが、その後期試験の面接で「君は将来何科の医者になりたいの?」と聞かれて「総合診療科の医師を目指しています。」と答えたら、「総合診療医にこだわらなくっていいんだよ!」と怒鳴られてしまって、訳が分かりませんでした。強く言い返したかったですが、こちらは選んでいただく弱い立場。悪い点数をつけられる可能性もあって反論できませんでした。後から考えても怒鳴られた理由は分かりませんが、恐らく医学部の面接対策で、そのような質問が来た場合、今医師不足で特に困っている「小児科」や「産婦人科」、あるいは将来需要が多く見込まれる「総合診療医」と答えた方が受けがよいということで、口先だけそう答えてるものと勘違いされたのではないかとの結論に達しました。その結論が正しいかどうか分かりませんが、受験生がそう答えているのだから面接官も素直に受け止めて欲しかったです。結局私はその大学は不合格で成績開示をしたら面接点がかなり低かったのですが、さきほどの受け答えの印象が悪かったのかなとしか思えず、納得のいかないものでした。
 今の大学を受験した時の面接官はとても優しくてこんなお医者さんになりたいなと思わせてくれるような方でした。「社会人を経験して医師になっている人も多くいるから大丈夫ですよ。」と再受験生だった私に面接の場で優しく応援の言葉まで下さいました。合格後の成績開示では合計点しか書いてなかったので面接点が何点だったのか分かりませんでしたが、学力試験の出来から各教科が何点くらいか自己採点して面接点を推定すると、比較的高い点数がつけられていたようです。私は自分に高い評価をつけてくれた今の大学に感謝していますし、今の大学で良かったと思っています。逆に、面接で自分に低い評価をつけた大学には行かなくてよかったと思っています。
 面接の方針は大学によって異なるでしょうけれど、せめて面接官によってつける点数がほぼ変わらないような公平な面接を、そして受験生に対して面接官も礼儀正しく真摯な態度で向き合うことを大学には望みます。
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2016年03月18日13:10医学部の留年①
 高校までは留年することはほとんどありません。厳密には中学校も進級判定があって留年しうるのですが、中学校の場合は1年間全欠席でも、成績がオール1でも進級させています。高校になると欠席日数や成績不振で留年する場合があります。テストの点数が悪いと、先生に「このままだと進級できないぞ。」と脅されますが成績で留年することはあまりなく、高校で留年する場合は出席不足が主な原因となります。成績に関しては平常点やレポートなどで下駄をはかせることもできますが、出席日数はそういったことはできませんので高校としても不本意でしょうが、仕方なく留年させることになります。恐らく、中学校、高校については、1年間の留年がその生徒の将来に大きく影響してしまうことを憂慮してなるべく進級させるようにしてあげるのでしょう。また、生徒を留年させるとなると、それまでの教師の指導が十分だったのか保護者や管理職に厳しく問われますので、留年させる方にも相当の覚悟が必要となります。
 ところが大学になると留年率が一挙に上昇します。特に理系で多く、その中でもとりわけ私立歯学部などは留年率が非常に高いようです。また留年率とは異なりますが、歯学部の場合仮に卒業までこぎつけても歯科医師国家試験に合格しなければ歯科医師になれませんので、国試浪人ということも多々あります。私立の歯学部だと1年間の学費も相当な額ですから留年すると時間とともに多額のお金も余分にかかるので本人はもちろん親御さんも大変です。ここ最近は歯科医師が過剰になっていることもあって歯科医師国家試験の合格基準も上げているとのことなのですが、問題は入学生の学力の担保にあります。国公立大学の歯学部では定員割れというものは現在起きていませんが、私立歯学部では定員割れが生じていて、一部の私立歯学部では全入という現象も起きています。私には信じられないのですが、受験者数=合格者数となっているところもありますので、学力が相当に低くても、別の角度から言えば6年間の歯学の勉強についていけるほどの学力が見込めなくても入学させてしまっているということになります。歯科医師が過剰になっていてあまり人気がないということもありますが、だからといって歯学部を簡単に廃止にするわけにもいかず、大学としても悩んでいるところでしょう。
 高校まで甘い環境で育ってきて、大学入試も特に頑張ることなくAO入試や推薦入試で歯学部に受かった学生は、大学生活が始まって初めて厳しい環境にさらされます。 その環境に耐えられず除籍になる学生も少なくないでしょう。最初の1年生か2年生のときにその厳しさに気づいて、気持ちを入れ替えて猛烈に勉強に励むようになるか、あるいは大学を辞めてやっぱり別な道を選択をするという学生は良いと思います。しかしだらだらと留年を繰り返しながら少しずつ学年を上げていき、10年ほどかかってようやく6年間の過程を終えることができそうになったとして、国家試験に受からなかった場合の学生の人生は一体どうなるのでしょうか。国家試験も1回や2回では諦めないでしょうから、例えば5回受験してもう無理だと諦めたと仮定します。現役の18歳で大学に入学したとしても、10年+5年で15年、年をとるわけですから33歳になっています。数千万円かけて大学に通った挙句、33歳になって何も資格のない、社会経験もないただの人になるわけですから、想像するだけでぞっとします…。しかしこれは極端な仮定のたとえであってそういう人が実際に身近にいるというわけではありません。しかし法科大学院に関してももそうですが、社会において需要と供給のバランスがあまりにもかけ離れていて、それに対して抜本的な対策を行えない文部科学省にも責任があると思うのです…。
 今日はこの記事を書いている途中でヒートアップしてしまいまして、話が色々と飛びすぎまして、本来のテーマにあまり触れられませんでした。一旦ここで切ってまた後日改めて、留年問題について思うところを述べたいと思います。




 
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2016年03月15日23:42英国王のスピーチ
 映画「英国王のスピーチ」をDVDで観ました。吃音に悩む王様の話です。実話に基づくストーリーで、少々退屈な場面もありましたが昔の人の苦悩を描いた作品として心に残りました。ところで、吃音が病気なのかどうかは、その判断基準に絶対的な基準はないと聞きます。少々どもっていても意思疎通ができるならば問題ありませんし、一方では自分自身のほんの少しのどもりも気になってしょうがないという人は、自分はうまく言葉を喋れない病気だと思うかもしれません。私は将来医師として、病気か病気でないかの境目、吃音に限らずこれから多くの症例に出合うことになると思いますが、きちんとした理由づけをして的確な判断ができる、さすがプロだと言われるような医師になりたいと思いました。







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2016年03月05日21:15初期研修病院選び①
先日初めて研修病院の合同説明会に参加しましたが、よく考えたら給料とか、当直の回数とか、自分の待遇面ばかりに目を奪われていることに気づきました。来年度、再来年度に初期研修を迎える数名の先輩たちに、選び方の基準を聞いてみたら、給料などではなく中身で決める!と全員一致で即答され、高い給料の病院に目移りしてしまった自分がなんだか恥ずかしくなってしまいました。将来を真剣に考えている人は目先のことより遠い先を見据えて物事を進めていくんだなと感服しましたし、自分もそういった姿勢を見習っていこうと思いました。ですがここ数年で臨床実習(クリクラ)の期間が長くなって、その分長期休暇が短くなってきていますので、まだまだ先のことのようで実はあまりそんなに悠長に構えているほどではなさそうです。来年度の夏休みか春休みにはもっと自分のキャリアをきちんと見据えて、その軸がぶれないようにして初期研修病院を探していきたいです。





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2016年03月04日00:05追い出しコンパ
今日は部活の先輩の追い出しコンパでした。6年間も部活に所属しているといざ卒業するときには感慨深いものがあるようで、卒業生一人一人のコメントがとても身に染みて、聞いている私の方が目が潤んでしまいそうでした。人数やテーブルの配置の関係で私は卒業生とあまり話ができなかったのが残念でしたが、温かい雰囲気の中、先生やOBさん、そして部員みんなと同じ時間と空間を共有できて、本当に幸せな飲み会でした。医学部の学生生活は勉強がとても大変ですが、その大変さに対してだけ6年間を捧げることなく、さらに部活も頑張ったら充実感は半端ないでしょう。私もテストの勉強をしなきゃとか、レポートを書かなきゃとかそういう言い訳で部活を休んだことも今まで多々ありますが、これからはもっと自分に厳しくして、勉強と部活をしっかり両立していこうと思いました。そして先輩後輩のつながりってホントいいなと思いました。




 
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2016年03月02日22:09医学部の勉強①
医学部に入って驚いたのは授業で扱われる情報量の多さです。授業の最初にレジュメを配られてそのレジュメに沿ってパワポを使って授業が行われるのですが、膨大な量を先生が早口で90分間とにかくぶっ通しで喋りまくります。しかもその授業が1日4つですから、いくら医学に対する志が高い学生でもずっと集中して聞いていることはなかなかできません。ましてやそれを理解して覚えるなんて…私にはとてもできません。授業の中で重要なところを1つや2つでも覚えておこうとするのが精いっぱいです。テスト前になると数か月間でたまったレジュメの山を目の前にして呆然とするのです。苦労してやっとテストを乗り越えた後は、「今度こそ前もってコツコツ勉強するぞ!」と心に誓うのですが、テスト直前にならないとなぜかエンジンがかかりません。テストはテスト期間中、1日に1~2科目あるのですが、その科目に向けて語呂合わせなどの小細工も駆使しながらレジュメに書いてあることを無理やり頭に詰めこむ作業をしていきます。そのテストが終了すると、次の科目のテストに向けてまた無理やり記憶を詰め込み、その科目のテストが終わるとまたその繰り返しですので脳にちゃんと定着していないんですね。テストが終わるとその科目の内容は速やかにきれいさっぱり忘れてしまっています…。先輩に聞いても、そんなもんだよと慰められるのですが、こんなので一人前の医者になれるのか不安です。次こそは!毎日少しずつでも勉強しようと心がける自分が今ここにいるのでした。





 
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2016年03月01日14:19医学部受験①
私は理系の学部を卒業して、社会人を経験してから医学部を受けた、医学部再受験生です。高校3年生の現役のときは、もし医学部を受験していればぎりぎり合格できたのではないかというくらいの学力をもっていましたので、再受験するときもちょっと勉強すれば大丈夫だろうとたかをくくっていましたが、そう甘くはありませんでした。合格するのに時間もかかりましたし、受験勉強もなかなかの大変さでした。受験勉強は現役時代の数倍はしたと思うほどです。自分としては脳の老化はあまり感じてなかったのですが年齢のせいもあったかもしれません。医学部再受験を決意してから合格するまでの2~3年間を、80年という短い人生の中で無駄に過ごしてしまったのではないかという思いが未だにあります。実際に合格してみると他にも再受験生はいましたが、半年で受かったとか、1年で受かったとかという人ばかりで自分に劣等感さえ感じました。医学部再受験にあたって猛烈に勉強した国語や数学などの知識は入学後はほとんど必要としないので、結果だけ見れば入学後のことも考えて学士編入という選択肢も視野に入れておいた方が良かったのかもしれません。学士編入の試験は生命科学など医学を学ぶ上で基礎となるものですので。でももう過去を変えることはできませんから今自分に与えられた環境で全力を尽くすのみです。





 
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