ある病院の美容外科の方を見学させていただく機会を得たので、行ってきました。「美容外科」というと、興味はあるのですが自ら進んでそちらの方面の医師になりたいかといわれるとちょっと尻込みしてしまいます。なぜでしょうか、その答えが少しは分かるかもしれないという思いもありました。もちろんニュースで美容外科関連の医療事故のニュースは耳にしますが、それらはどうやら医師側に明らかな問題がありそうなので論外とします。

最近では名古屋の方で豊胸手術中に患者さんが亡くなった医療事故がありました。↓
https://www.daily.co.jp/gossip/2017/03/01/0009957306.shtml 

こちらのページには読者の反応もついてます。↓
http://pikarinnews.net/tokai-seikei-jiko 

 さてその日は患者さんにヒアルロン酸を注入して顔を若く見せる手術が行われていました。手術といっても注射で顔の色んな場所にヒアルロン酸を注入するだけなのですが、血管にヒアルロン酸が入ってしまってはいけないので血管を避けて注入するのはもちろんのこと、それでいてかつ、若く見えるという目的を達成できる部位に注入しなければなりません。患者さんと話して希望を聞きながら、何度も何度も場所を確認して慎重に医師が注入されていました。左右で違いが分かるようにと、まずは右側に注入して患者さんに鏡で見てもらい、満足感を得てから左側も同様に注入していくという作業を繰り返していきました。そしてカウンセリングも含めて手術は2時間くらいだったでしょうか、結果的には患者さんは大満足して帰って行かれました。
 私の感想としては…、確かに多少若返った印象はありましたが、そんなに大きな変化は見てとれませんでした。まぁ患者さんももともとそんな大きな変化を望んでいたわけではなくて、多少若く見えればそれでいいという感じでしたから満足されたのでしょう。しかし他のプロの医師から見れば、細かい部分がそれぞれ微妙に変わった結果、自然な若返りが実現できているとのことでした。
 やはり他の診療科とは違った意味でなかなか難しい診療科だと思いましたね。それはもともと疾患のない人に医療行為を行うわけですから、患者さんのリクエストに沿った繊細な感性と手技が求められることに尽きます。手術後に医師の方が言っておられた言葉が思い出されます。「普通、患者さんはマイナスの状態で来られて、ゼロに戻ることを望んでいるが、美容外科ではゼロの状態で来られてプラスになることを望んでいる。患者さん自身のプラスになることに対して国の税金は使えないから自由診療ということになる。料金は10倍、でもリスクも10倍だ。」と。そんな世界で生き抜いてこられた医師に対して、私は自分には到底できないという感情が相まってある種の尊敬の念を抱きました。

 ところで最後の最後、診察室を出ていくとき患者さんが言った言葉は「あ~あ、やっとたばこが吸える」でした(笑) たばこは健康によくないのは誰でも分かっているはずです。つまり若々しく見えるようになりたいという思いとは矛盾するはずですよね。でも若々しくありたい気持ちはある反面、自分でも禁煙するなりして自分を変えていこうという努力はしないわけですね。医師に聞いてみましたら、脂肪吸引を希望する方も同じようなものだそうです。痩せたい、でも自分で運動して痩せようという努力はしない人がお金を払って脂肪吸引をしてもらいに来るとのこと。

 今回も色々考えさせられましたね。勉強になりました。
 一つ大きく自分の誤解が解消されたことは、美容外科医の中には先ほどのニュースで出てくるようなインチキ美容外科医もいる一方で、「美容」という分野と患者さんの思いに真摯に向き合い、しっかりした医学知識と経験のもと、正確な情報と技術で、かつ誠意をもって患者さんのリクエストに沿った医療を提供しておられる美容外科医の方もたくさんいるということです。

 なお今回のヒアルロン酸注入は料金を聞いてもびっくり仰天。新卒のサラリーマンの給料1か月分の手取り分くらいはありましたよ…(;゚Д゚)




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